新たな恋に乾杯!

 この間、いわゆるの合コンとは違うのだが、形態としては合コンのような集まりに顔を出した時の事だ。
 何の期待も持たず、とりあえず飲み会にいくと言ったような感覚でその集まりにいった。
 男子×3と女子×3と言う、数字的にはジャストな取り合わせの男女比だった。
男子は全員大学時代の“少林寺拳法部”の同級生だ。
いわゆるサッカー等、女子に人気のある競技ではなく、女っ気のない武骨な世界から抜け出た男子3人だった。
しかし、俺たちが知らなかっただけで“打撃系格闘技”は、一部の女子には人気があるようだ。
この日に集まった3人の女子たちは、いずれも“K−1”のファンだというではないか。
このときの話題は、当然のように打撃系格闘技に集中した。
彼女達は一様にK−1の世界に通じていた。
とくに引退した魔沙闘の事は、何故か“オタク”の領域に達していると言っても過言ではないぐらい、よく知っていたし、妻の矢沢心に嫉妬心まで持っている様子だった。
 俺は、特に矢沢心に嫉妬心を強く持つ“美里”と言う女性と話す時間が長くなり、必然的にこの場では二人は“カップリング成功”的な感じになったし、俺は事実彼女の頭のよいところに惹かれていった。
 美里は特別に美人でもなければ、特別にスタイルが良い訳でもなかったが、矢沢心に対する嫉妬心を語るときにも節度のある話し方をして、それでいて自分の心情を上手く表現のできる女性だ。
また、俺たちアスリートを“頭まで筋肉”的な偏見で見ることも無かった。
むしろ、アスリートは馬鹿ではなれないとい言うことをよく知っていた。
それでいて、アスリートではない人達を馬鹿にすることも無いのだ。
極めて、自然体で人を受け入れてくれると言うのか、なんだか包容力まで感じさせてくれるような女性だ。
 俺は“こんな人と一緒にいられたら、きっと肩肘を張らずに時を刻めるのだろう”と、なんだか爺臭い事を思ってしまい、苦笑いを押し殺して真面目に話を続けた。
 そうとう盛り上がって、その日は解散と言うことになったが、俺は美里の携帯番号とアドレスをゲットすることに成功した。
 部屋に帰り、シャワーを浴びて、ビールで喉を潤しながら、ゲットしたばかりの美里にメールを送った。
今度は二人で会いたいと言う内容だ。
 すぐに返事が来る訳ではないと思い、TVを点けて相棒のCDを見ていたら、どこかで相棒のテーマが流れ出した。
“ん!”と思い、携帯を見ると着信のサインが出ていて、着メロの相棒のテーマが高らかに鳴り響いている。
 “美里”と液晶には表示があった。
その日あったばかりなのに、俺の胸早鐘を打つように高鳴りをしている。
これって、もしかして恋なのかな〜、と想いながら電話にでると“今日は有難うございました。
早速メールをいただいたので、電話をしちゃいました。
遅くにごめんなさい”と、美里の柔らかい声が心地よく俺の耳に拡がった。
う〜ん、何て心地いいんだろう、と思いながらときめく胸の高鳴りを感づかれないようにしながら、俺も今日の礼を言って、暫く話をした。
 締めくくりには当然、次は二人でデートをしようと言う約束を取り付けたことは、勿論いうまでも無かった。
 なんだか、恋をしてしまったのかな〜。
暫く恋をしていなかったから、恋の感覚が蘇ってこないが、きっとこれは恋なのだろな〜。
 この恋の行方がどうなるのかは、今の時点では判らないが、俺も美里も若いのだから、精一杯この恋に向かって歩き始めることにした。
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